魚類の調査法
魚類にはさまざまな調査方法があります。実際の調査においては、以下にあげた方法の中から調査地点の環境に応じた効果的な手法を選択します。確認された種は個体数の記録や体長の計測、写真撮影等を行い、必要に応じてホルマリンを用いた液浸標本を作製します。(※調査は各都道府県の特別採捕許可を得てから実施します)
直接捕獲
調査地点の環境や魚類の生態などに応じて、投網やタモ網といった漁具の中から生息種の捕獲に適したものを選択します。
- ○投網 …… 水深が浅く、開けた環境で用います。
- ○サデ網、タモ網 …… 岸際の植物帯周辺や、礫下に潜む魚類の採集に用います。
- ○地曳網 …… 河口域や干潟などで、底生魚や幼魚を捕獲する際に効果的です。
- ○エレクトロフィッシャー(電撃捕漁器) …… 水中に電流を流し、気絶した魚を手網で掬い上げます。
投網
タモ網
サデ網
地曳網
エレクトロフィッシャー
トラップを用いた捕獲
直接捕獲が困難な場所では、トラップを用いた捕獲も併せて実施します。一晩設置するトラップは、夜行性の大型魚類の確認にも効果的です。
- ○定置網 …… 開口部を下流に向けて一晩設置します。
- ○刺網 …… 流れの緩やかな場所に一晩設置します。
- ○はえなわ …… ミミズ等を餌とした鈎を10本ほど付けて一晩設置します。
- ○セルびん …… 釣り用の練り餌を入れて1時間程度設置します。
定置網
刺網
はえなわ
セルびん
その他の調査方法
目視や動画撮影によって、魚類を確認することもできます。
- ○潜水観察 …… シュノーケル、ウエットスーツ等を着用して潜水し、魚類の生息確認を行います。
- ○ビデオ撮影 …… 魚道等において、ビデオカメラを用いた魚類の確認を行います。
計測・写真撮影
捕獲した魚類は種ごとに全体長、重量等の計測や写真撮影を行います。作業後、魚類は再放流を基本としますが、必要に応じてホルマリン固定標本を作製します。
捕獲した魚類
水槽撮影写真