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社内応急手当講習 実施報告

2023年5月23日
文:環境調査課 合田 爽馬

実施背景

万が一、野外での調査において事故が発生した場合、救助隊の到着まで自分たちの手で救命処置や応急手当を行う必要があります。しかしながら社内では、これらの手順、方法について不安を覚える社員が少なくありませんでした。このため、2023年5月15日、太白消防署警防課中田出張所から、救急救命士の方を講師としてお招きし、社内向けの応急手当講習会(普通救命講習Ⅰ)を実施いたしました。当記事では講習の内容や様子をご報告します。

胸骨圧迫

まず初めに、パンフレットを読み合わせながら、安全確認や119番通報とAEDの手配などの応急手当の手順を確認しました。一通り流れが確認できた後、心肺蘇生の基本である胸骨圧迫の練習を行いました。胸骨圧迫は「30回を1セットとして、胸骨が約5㎝沈むように100~120回/分のペースで絶え間なく」行います。胸を十分な深さまで押すと音が出る人形を使って実際にやってみると、「30回だけでも結構疲れる!」「絶え間なくやるとなると大変」「意外とテンポが速い」など、様々な感想が飛び交いました。また、力の弱さから人形の胸を押しても音が出ない社員もいたため、周囲に人がいるときは助けを呼んで人手を集め、交代しながら行うことも重要だということにも気づかされました。救命士の方からは、「童謡の『うさぎとかめ』(もしもしかめよ かめさんよ♪)のリズムに合わせて押すとちょうどよいテンポになります」というアドバイスもいただき、なかには歌を口ずさみながら練習する社員もいました。

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AEDについて

続いて、AEDの使い方を練習しました。今回の講習では蓋を開けると自動で電源が入り、音声による指示が始まる機種と、使用者が手動で電源ボタンを押してスタートさせる機種の2種類をご用意いただき、社員は2つの機械の違いも確かめながら練習を行いました。手動で電源ボタンを押すタイプは、電極パッドを傷病者に貼りつけてから本体にコードを接続するなど、手順に少し注意が必要でした。練習にあたって、傷病者の体が濡れている場合の対処法や、子どもに使用する際の注意点など、様々なケースに合わせた使い方もご指導いただきました。社員からは「雨が降っているときは傘で傷病者が濡れないようにした方が良いのでは」「外傷がひどいときには使うべきなのか」など、様々な意見・質問が出ました。また、AEDの設置場所がわかるアプリやウェブサイトもご紹介いただき、さっそくインストールして会社周辺のAEDの設置状況を調べている社員もいました。

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外傷の処置

最後に、救命士の方から出血、骨折、火傷等の外傷の手当てについてご説明いただきました。骨折の処置については三角巾がなくてもできる方法として雑誌とラップを使った処置をご教授いただき、実際に処置を体験した社員からは「ラップでもしっかり固定される感覚がある」という感想が出ました。

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さいごに

弊社社員はときに急な斜面や奥深い山などで調査を行うこともあり、怪我のリスクを完全に回避することはできません。社員一人一人が救命処置のノウハウを身につけるという目的で実施した今回の講習は、調査の安全性を高めるという点において、非常に有益なものとなりました。
ご指導いただいた救急救命士の方に感謝申し上げます。ありがとうございました。

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補足

今回は対面での講習を実施しましたが、仙台市消防局では応急手当のWEB講習も行われています。普通救命講習Ⅰの事前講習として受講すれば対面での講習時間を短縮できるので、ご興味がある方はぜひご受講ください。

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