2011年4月に福島県会津地方にてユビソヤナギ Salix hukaoana Kimura の花を採集する機会があり、花の分解写真を撮影したので紹介する。
本種は関東北部から東北地方にかけて分布し、「哺乳類、汽水・淡水魚類、昆虫類、貝類、植物I及び植物IIのレッドリストの見直しについて」(2007年 環境省)では絶滅危惧Ⅱ類(VU)とされており、近年新たな生育地が次々と見出されて脚光を浴びつつある植物である。にもかかわらず、市販の図鑑やWeb上には本種の花の分解写真は見当たらない。そのため、花による正確な同定に資する情報として活用して頂ければ幸いである。
図1 雄花序
図2 雄花序
尾状花序は長さ2.5-5㎝
葯は黄色で赤味を帯びる図3 雄花
(スケールの1目盛は1㎜)図4 雄花の基部
(スケールの1目盛は1㎜)
花糸は長さ4-5.5㎜で合着し、
1本である。腺体は1個図5 雄花の葯
(スケールの1目盛は1㎜)
花糸は長さ4-5.5㎜で合着し、
1本である。腺体は1個図6 雄花の腺体
(スケールの1目盛は1㎜)
雄花の腺体の長さは1.5-1.8㎜図7 雄花の苞の腹面
(スケールの1目盛は1㎜)図8 雄花の苞の背面
(スケールの1目盛は1㎜)
雄花の苞は長さ2.5-3㎜で毛が
あり、基部は淡黄色で先端が黒い図9 雌花序
図10 雌花序
尾状花序は長さ2.5-5㎝図11 雌花
(スケールの1目盛は1㎜)図12 雌花の基部
(スケールの1目盛は1㎜)
腺体は1個図13 雌花の子房
(スケールの1目盛は1㎜)図14 雌花の柱頭
(スケールの1目盛は1㎜)
子房は長さ1.3-1.8㎜で無毛。
花柱は長さ1-1.8㎜。
柱頭は全縁または凹形図15 雌花の苞の腹面
(スケールの1目盛は1㎜)図16 雌花の苞の背面
(スケールの1目盛は1㎜)
雌花の苞も雄花と同様図17 雌花の腺体
(スケールの1目盛は1㎜)
雌花の腺体の長さは1-1.5㎜
- ◆ 参考文献
- 「Flora of Japan Ⅱa」(2006年 Iwatsuki他編)