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マルコガタノゲンゴロウを対象とした環境DNA分析による検出の試み

2019年8月9日
文:水域調査室 村田 真一

第66回日本生態学会 ポスター発表 資料紹介

2019年3月に開催された、第66回日本生態学会で「マルコガタノゲンゴロウを対象とした環境DNA分析による検出の試み」をポスター発表しました。以下に発表資料をご紹介します。

マルコガタノゲンゴロウ Cybister lewisianus は、生息環境の悪化や、侵略的外来種による捕食が原因で絶滅の危機に瀕しており、種の保存法において国内希少野生動植物種とされています。本種の保全を検討する上で、正確な分布状況の把握は不可欠ですが、近年、各地で生息地が急速に消失している一方、新産地が今でも発見されています。このように生息地が把握しきれないのは、以下の理由によるものと考えられます。

・マルコガタノゲンゴロウは平野部~丘陵部の遠浅の比較的大きなため池などに生息しており、そのような池はため池"群"として存在することが多く、調査に多大な労力を要すること

・種の保存法により、採捕による確認は原則禁止されており、調査者が限られること

また、許可を得た上での調査であっても、採捕時の踏み荒らしは本種の産卵基質となる水生植物の生育を妨げるといった問題もあります。そこで本研究では、採水のみで現地作業を簡素化でき、かつ生息環境の悪化を避けられるという利点のある「環境DNA分析」を用いて、マルコガタノゲンゴロウの生息が確認できるか試みました。

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